不眠症の高校生・桧山は毎夜窓の外を見下ろし、夜の町に深い海のような孤独を見ていた。そんなある夜、やはり眠れずに彷徨していた同じクラスの矢鳴に声をかけられる。二人は次第に打ち解け合い、少女・キューピーさんも輪に加わって心地よい日々が始まった。しかし、矢鳴は「あれ」と呼ばれる奇病に罹っていた。身体のそこかしこが痒くなり、やがて…。喪失の痛みと、それでもなお繰り返される「日常」の残酷。20歳の新星がものした、たったひとつの“かけがえのない物語”。かつてどこにもない、ここからしか生まれ得なかった青春文学。第2回野性時代青春文学大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)